
角地を見ていると、「角地は建ぺい率(1階の広さの上限)が10%増える」と聞くことがあります。ただし増えるのは、役所が指定した角地だけです。増えても、家全体が広くなるとは限りません。
何坪増えるか、家全体が広くなるか、自分の土地が対象になるかを、順に見ていきましょう。
角地緩和は、役所が指定した角地だけ、建ぺい率の上限が10%増える決まりです。建築基準法53条3項で、対象を「街区の角にある敷地など」のうち役所が指定するものに限っているからです。
どの角地を指定するかは、役所ごとに決めています。そのため、道路の角にある土地でも、対象にならないことがあるのです。
同じ53条3項には、防火地域などで火に強い造りの建物を建てると10%増える決まりもあります。角地と両方に当てはまれば、合わせて20%です。
建ぺい率そのものの出し方は、建ぺい率・容積率の記事にまとめています。

角地緩和で増える1階の広さは、「土地の坪数×10%」です。元の建ぺい率が40%でも60%でも、上乗せされる割合は同じ10%だからです。
早見表:土地の広さと建ぺい率から、1階の上限を見る
| 土地の広さ | 建ぺい率 | 通常の1階の上限 | 角地(+10%) | 角地+防火(+20%) |
|---|---|---|---|---|
| 30坪 | 40% | 12坪 | 15坪 | 18坪 |
| 30坪 | 50% | 15坪 | 18坪 | 21坪 |
| 30坪 | 60% | 18坪 | 21坪 | 24坪 |
| 35坪 | 60% | 21坪 | 24.5坪 | 28坪 |
| 40坪 | 50% | 20坪 | 24坪 | 28坪 |
| 40坪 | 60% | 24坪 | 28坪 | 32坪 |
| 50坪 | 60% | 30坪 | 35坪 | 40坪 |
※ 建築基準法53条をもとに、マイホーム研究所が計算(1坪=約3.3㎡)。角地の列は、役所の指定に当たった場合の数字。
30坪・建ぺい率60%の角地なら、1階の上限は18坪から21坪に増えます。増える3坪(約9.9㎡)は、畳にするとおよそ6畳分です。
表にない広さは、次の式で出せます。
角地の1階の上限 = 土地の坪数 ×(建ぺい率+10%)
角地で増えるのは1階の広さの上限だけで、全部の階を足した広さの上限(容積率)は増えません。角地緩和は建ぺい率の決まり(53条)で、容積率は別の条文(52条)で決まっているからです。
1階と2階を同じ広さにした2階建て(総2階)で、40坪の土地の例を見てみます。
表:40坪の土地に建てられる2階建ての合計(総2階の場合)
| 建ぺい率/容積率 | 通常 | 角地 | 家全体は広くなるか |
|---|---|---|---|
| 40%/80% | 32坪 | 32坪 | 広くならない |
| 50%/80% | 32坪 | 32坪 | 広くならない |
| 50%/100% | 40坪 | 40坪 | 広くならない |
| 60%/150% | 48坪 | 56坪 | 8坪広くなる |
| 60%/200% | 48坪 | 56坪 | 8坪広くなる |
※ 「1階の上限×2」と「容積率の上限」の小さいほうを、建てられる合計としてマイホーム研究所が計算。
建ぺい率50%・容積率100%の角地なら、1階の上限は20坪から24坪に増えますが、合計の上限は40坪のままです。1階を4坪広げたら、2階を4坪小さくすることになるのです。
この組み合わせでも、1階を広く2階を小さくしたいときや、平屋を広くしたいときには、角地の10%が生きます。平屋なら24坪まで建てられます。土地の広告を見たら、建ぺい率と容積率を2つ並べて見ましょう。
前の道路の幅が12m未満だと、容積率が広告の数字より小さくなることもあります。出し方は建ぺい率・容積率の記事のケース2にまとめています。
同じ角地でも、役所によって対象になるかどうかが分かれます。道路が交わる角度、道路に接する長さ、道路の幅の条件を、それぞれの役所が決めているからです。
表:主な都市の角地の条件(各役所の公式資料より・2026年10月時点)
| 役所 | 道路が交わる角度 | 道路に接する長さ | 道路の幅など |
|---|---|---|---|
| 東京都(都の細則) | 120度未満 | 敷地の周りの長さの1/3以上 | — |
| 横浜市 | 120度以下 | 敷地の周りの長さの3/10以上 | 2本の幅の合計が10m以上など、6つの型 |
| 名古屋市 | 120度以下 | 敷地の周りの長さの1/3以上 | それぞれ6m以上・合計15m以上 |
| 大阪市 | 150度以下 | 敷地の周りの長さの1/3以上 | ①一方が10m以上/②両方4m以上で、角に2m以上の隅切りがある |
| 京都市 | 135度以下 | 敷地の周りの長さの1/4以上 | それぞれ5.5m以上・合計14m以上(敷地200㎡以下なら幅の条件なし) |
※ 条件の一部を抜き出しています。東京都の行は、都の細則で決まる地域の数字です。江戸川区・板橋区のように、区が自分の細則で決めているところもあります。
たとえば、幅4mの道路2本が交わる角の土地で比べてみましょう。名古屋市では、道路の幅がそれぞれ6m以上必要なので、対象になりません。大阪市では、角に2m以上の隅切り(角を三角に切って道路として空けた部分)があれば、道路の幅の条件は満たします。

角地には、角地緩和の条件とは別に、隅切りが求められることもあります。条例で隅切りを決めている役所があるからです(東京都など)。
東京都の建築安全条例では、幅がそれぞれ6m未満の道路が交わる角の土地(角度120度未満)は、底辺2mの三角形を道路のように空けます。直角の角なら、広さは約1㎡(約0.3坪)です。
隅切りの部分も、敷地面積に入れられる役所があります(東京都・横浜市の資料)。ただし東京都の資料では、空けた部分に塀などを置けません。

自分の土地が対象になるかは、役所の建築指導課が判断します。角地の指定を、その土地を受け持つ役所が決めているからです。

まず「市区町村名+角地緩和」で検索して、役所のページか資料を探します。角度・接する長さ・道路の幅の条件が、図つきで載っていることが多くあります。小さな町や村では県が決めていることがあるので、見つからなければ「都道府県名+角地緩和」でも探しましょう。
広告の建ぺい率に角地の10%が入っているかは、不動産会社に聞きます。書かれた数字が加算を含めたものかどうかを、資料だけで見分けられないことがあるからです。「角地の10%を足す前の建ぺい率は何%ですか」と聞けば、元の数字が分かります。
建築指導課には、道路の幅・道路が交わる角度・道路に接する長さの3つを伝えます。土地の図面(測量図)があれば、持っていくと話が早く進みます。隅切りが必要かどうかも、このときに聞いておきましょう。
前の道路の幅が4m未満なら、セットバック(敷地を道として空けること)の扱いもあわせて聞きましょう。減る広さの出し方は、セットバックの記事にまとめています。
角地の+10%は、指定に当たるか、何坪増えるか、容積率に余裕があるかの3つで見ます。広さの上限が分かったら、次はその中に希望の間取りが入るかを確かめる番です。
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道路ではなく、公園や川に接していても対象になりますか
対象にしている役所があります。横浜市・大阪市・東京都江戸川区などです。条件は役所ごとに違うので、その土地の役所に聞きましょう。
防火地域の加算と合わせて+20%になるのは、どんなときですか
角地の指定に当たり、さらに次のどちらかに当てはまるときです。
自分の家の建て方で当てはまるかは、住宅会社や建築士に確かめましょう。
次は、気になる土地の役所の資料を探しましょう。対象になりそうなら、早見表で増える広さを出し、容積率で家全体が広くなるかを見ます。
参考・出典(すべて2026年10月22日確認)
※本記事は2026年10月22日時点の法令と各市の資料にもとづく一般的な解説です。角地の指定条件は役所ごとに異なります。個別の土地については、その役所の建築指導課へご確認ください。